お知らせ

東京都行政書士会の処分に関する見解と今後の対応について


令和7年4月28日、東京都行政書士会理事会において、私に対し「1年間の会員の権利停止」という処分が決定され、公表されました。
これは、令和5年当時の私の事務所運営体制に関する指摘をもとにされたものです。
本件につきましては、私自身、業務運営に一部不備があったことを認めており、深く反省し、すでに再発防止と体制改善に着手しております。
ただし、公表された内容の中には、事実と異なり誤解を招く記載や、実態を正しく反映していないと考えられる点も含まれておりました。
これは私のみならず、業務を一緒に行っていた使用人行政書士に対する名誉や信用にも大きく関わる問題であると受け止めております。
そのため、実務家として、こうした点について沈黙を貫くことが正しい態度とは言えないと考え、私の見解と今後の対応について述べさせていただきます。

1 発生の経緯について

私は令和4年に行政書士として開業し、令和5年当時は2年目の事務所運営でした。
地域の特性や業務対応の柔軟性から、相談件数が急増し、平均すると1日5件以上の新規相談を受ける日が続くなど、事務所の処理能力を上回る状況に陥っておりました。
業務事故の防止を最優先とする中で、帳簿や事件簿の整備などの体制面が後手に回り、結果として運営上の不備が生じました。
こうした状況を打開するために使用人行政書士を採用いたしましたが、指導や管理体制が不十分であった点について、私の責任として重く受け止めております。

2 レンタルオフィスにおける事務所体制に関して

行政書士会の公表内容では、「他の行政書士と通謀し、あたかも自身の使用人であるかのように偽装した」とされていますが、こちらは事実と異なります。
該当レンタルオフィスにおいて、当時私と完全に独立していた行政書士は1名のみであり、他の行政書士については、別の支部から移籍する手続を経ております。
また、複数の事務所名義を用いた事実もなく、「通謀」「偽装」といった表現は、誤解を招くものです。

3 職務上請求書の使用について

職務上請求書の管理に関して、私の監督責任が十分でなかった点については真摯に反省しております。
特に、登録間もない行政書士への指導が行き届いていなかったことは、明らかに私の落ち度であり、深くお詫び申し上げます。
ただし、「控えを改ざんして提出した」という評価は、事実に反し誤解を招くものです。
提出前に記載ミスを訂正するため、付箋や赤字で修正を行ったことはありますが、それは虚偽の報告や意図的な隠蔽ではありません。

4 帳簿や領収証に関する体制について

事件簿の記載漏れや領収証の不備についても、急激な業務増加と体制整備の遅れが要因であり、私の管理責任の甘さが引き起こしたものでした。
特に、一部の領収証を別途設立していた法人名義で発行していた点については、顧客の混乱を招くものであり、深く反省しております。

5 再発防止と今後の方針

今回の処分を重く受け止め、事務所の運営体制を全面的に見直しました。以下のような改善をすでに実施しております。
  • 大手法律事務所の協力のもと、法令順守を前提とした事務所運営体制、業務フローを再構築
  • 事務所運営上不透明な点が生じた場合は、顧問弁護士を通じて単位会及び管轄都道府県に確認するフローの構築、徹底
  • すべての案件について、事件簿の作成・保管体制を確立
  • 請求書、領収証の一元管理
  • 経理業務を担当する専門人員によるチェック体制の導入
  • 職務上請求書の使用中止


結びに

本件は、私自身の未熟さと管理責任の欠如に起因するものであり、多くの関係者の皆様にご心配をおかけしたことを、改めてお詫び申し上げます。
同時に、公表内容の一部には事実と異なる点が含まれており、名誉や信用に重大な影響を与える内容であることから、このような見解を公表するに至りました。
また、今回の処分手続を通じて、制度面にもいくつかの課題を感じました。
例えば、処分公表後における事実誤認の訂正を求める機会や制度が存在せず、名誉回復の手段がきわめて限定的であることは、改善を要すると感じております。
今後は、依頼者の皆様、そして社会からの信頼を一つひとつ積み重ねていけるよう、誠実かつ適切な業務の遂行に努めてまいります。
引き続き、ご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。

令和7年5月13日

行政書士 白井 豪祐